モテる女性の落とし穴

恋愛は惚れた方の負けで、惚れられれば理不尽なわがままも許してもらえる、という概念があるようです。モテると自負する女性は、男性が折れて言いなりになることを当然だと考えている節があります。

 

「こっちはそれほどでもないのに、彼が熱心にアプローチしてくるから、付き合いが始まりました。それに、体が目的じゃないかと疑ってます」

と警戒する渚さん(仮名・28歳)は、「渚みたいに綺麗な女はいないよ。スタイルが良くてまるでモデルだよ」と彼の甘い言葉も鵜呑みにしません。

 

「綺麗とか、スタイルがイイなんてことは、よく言われるしそれほど嬉しくもないですよ」と余裕しゃくしゃくの渚さん。そんな渚さんの気を引こうと躍起になる彼は、フレンチ、イタリアン、一流ホテル、ブランド品のプレゼントで自尊心をくすぐります。話術巧みに気分を昂揚させ、電話とメールも欠かしません。そんな彼に傾斜した渚さんが、体を許した途端、彼の態度が一変。

 

「近頃、ファミレスばかり。プレゼントも電話もくれなくて。『この頃の扱いはなんなの?私に飽きたわけ?カラダが目的だったの?』」と彼に詰め寄っても、改善される様子はないと嘆きます。

 

けれど、彼はごく普通の会社員で、特に年収が良いわけではない様子。渚さんの給与は手取りで約十八万円です。一人暮らしをしている為、家賃や光熱費、必要経費を支払い、手元に残るのは数万円です。その数万円でフレンチ、一流ホテル、ブランド品を逆にプレゼントすると考えたら、彼の苦労も容易く想像できるはず。

 

「でも、誘ってきたのはあっちですよ」と好意を受け取ることを当然とし、貢ぎ物が減ったと抗議するばかりの渚さん。彼の恋心が冷めても不思議はありません。彼の頑張る気持は評価せず、貢ぎ物ばかりに価値を置く、渚さんの心根に失望したのでしょう。

 

彼は、渚さんに飽きたのでも、カラダが目的だったわけでもなく、「綺麗でスタイルが良くて惚れたけど、強欲で思いやりのない、心の貧しい女性でがっかりした」というのが真相では?自分で稼いだ十八万の重みは分かっても、彼の稼いだお金の重みと苦労に無頓着であれば、愛想をつかされるのは時間の問題。恋人として、ましてや結婚相手として敬遠されるのは自然の流れでしょう。

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